工学部を留年しながらも、在学中にTOEIC930点を獲得したうにだよのTOEIC本レビューです。
今回は『サラリーマン特急 新形式リスニング』です。コンパクトなサイズの文庫本ですが、少数精鋭の問題と丁寧な解説の詰まった、内容の濃い本です。
内容と良い点、悪い点
著者:八島晶
おすすめ度:★★★★☆
目標スコア:600点~
著者の八島晶氏は、TOEIC満点を取得した経験のある現役のサラリーマンで、著書や執筆協力が多数あるTOEIC専門家として名高い人物です。
2016年5月から新形式のTOEICが始まり、新しい問題パターンが出るようになりました。この本は、そのような問題に対応できるような力をつけるための演習ができるようになっています。
最後にTOEICを受けたのが何年も前で新形式の受験経験がない人が、対策に使うのに最適な本です。
しかし、決して「旧形式の問題は既にできる人が、新形式の問題だけを対策するための本」というわけではなく、TOEIC初心者のリスニング対策にも使えるような本になっています。
本書は7章構成になっています。
第1章『パート3,4 新形式問題の対策』では、パート3,4の新形式で出るようになった問題を中心に解き、その後解説とポイントの説明がされます。
第2章『パート1の解法と対策』、第3章『パート2の解法と対策』では、それぞれのパートの問題を何問か解いたあと、解き方のコツとトレーニング法が解説されます。
第4章~第7章は『パート○の予想問題と解説』で、パートごとの問題演習を行います。
パート3,4は1問終わるたび、すぐに解答と解説を読むようなページ構成になっています。一方、パート1,2の問題は、まとめて解いてから解答と解説を読むページ構成になっています。
良い点
この本の良い点は2つです。
- 解説が丁寧
- 問題をやり込むとき使いやすいページ構成
パート1が12問、パート2が15問、パート3,4が20問(設問60)と問題数は多くありませんが、それぞれの問題に丁寧な解説がされています。
また、問題・スクリプト・解説・和訳が固まった位置にある構成になっています。
この配置は、スクリプトや解説を読みながら1問の音声を何度も聴いて、丁寧に勉強するのに向いています。また、通勤中のようなちょっとした時間に1問ずつ進めるのにも適しています。
問題を丁寧にやりこんで吸収していくスタイルの使い方をすると良いです。
悪い点
- これ1冊だけでは演習量が足りない
問題数があまり多くないのは、負担が少なくこなしやすいというメリットでもあります。
この本をやったあとは、公式模試(発売日が新しい公式模試3,公式模試4がおすすめ)や、1冊にリスニング100問が5セット入ったリスニング精選模試(新形式精選模試 リスニングは本番よりやや難しく、新形式精選模試リスニング2はさらに難しい)で演習を行いましょう。
使い方
まずは普通に進めて解説を読み、解き方をある程度頭に入れましょう。問題数は多くないので、それほど時間はかからないと思います。
次の周からは1問1問を丁寧にやっていきましょう。解くだけではなく、スクリプトを読みながら音声を聴いて聞き取れていない音を把握し、聴き取れる音を増やせるようにしましょう。
また、この本にはいくつかのトレーニング法が書いてあるので、良いと思ったものは取り入れてみてください。(リッスンアンドリピート、シャドーイングなど)
まとめ
問題数こそ多くありませんが、1問1問をやり込む使い方をすると力がつく、中身のある本です。
重い本ではなく終わらせやすいので、何も聴き取れないというほどリスニングができないレベルでなければ、この本から勉強しはじめると良いです。もちろん、中級者以上にもおすすめの本です。