TOEICを555点から980点まで上げたうにだよが、TOEIC600点を取るための戦略・参考書・勉強法・テクニックを解説します。
就活で評価されはじめる点数と言われているので、このスコアを目標としている人も多いです。しかし、達成できずに勉強をやめてしまう人が多いので、600点獲得は難しいものだと思っている人もいるでしょう。
ですが実は、TOEIC600点を取るために必要な英語力は全く高くありません。
中学高校で習う基礎的な英語を理解している必要はありますが、難しいことはできなくても大丈夫です。
戦略を立てて、何をどう勉強すれば良いか明確にすれば、簡単に600点を取ることができます。
TOEIC600点のレベルは?
まずはTOEIC600点の英語力がどの程度か知りましょう。
目指すべきレベルを分かっていれば、どう勉強すべきかのイメージもしやすいです。
600点は英語ができる思われ始める点数だと言われています。ですので、600点はそれなりに高度なレベルだと思う人もいるかもしれません。
うにだよはTOEIC555点を取ったことがあります。試験の内容を知らなかったので、知っていたら600点程度になったと思います。
その当時の経験や、一般に言われていることを総合すると、TOEIC600点のレベルは以下のようになります。
リスニング
TOEICリスニング編
- 自信を持って正解を選べるのは半分以下
- Part1やPart2で文が短いなら聴き取れるが、少し長くなると厳しい
- 長文は断片的にしか聞き取れない
日常編
- ネイティブの会話が宇宙人の会話に聞こえる
- ゆっくり話してもらえばなんとか聴き取れる
リーディング
TOEICリーディング編
- 時間内に最後まで終わらない
- 知らない単語がかなり多い
- Part5で確信を持って答えられる問題は半分以下
- Part7の文章の意味はなんとなくしかわからない
日常編
- 簡単な英文を読むために、かなり頭を使う必要がある
- 日常で出てくる、ちょっとした英語の意味が理解できると嬉しくなる
スピーキング・ライティング
- 人による
TOEICはリスニングとリーディングのテストなので、スピーキングとライティングの能力は関係ありません。
ですので、スピーキング力とライティング力は、同じスコアでも人によってかなり異なります。海外出張に行けるほどコミュニケーションが取れる人もいれば、全く何も伝えられない人もいます。
TOEICで点数を取るために、話せたり書けたりする必要は全くありません。
600点はそんなに高いレベルではない
このように、600点のレベルは高いものではありません。「これくらいならできそう」と思った人もいらっしゃると思います。
600点は決して困難なスコアではなく、現実的に目指せる目標です。少しがんばれば、きっと取ることができます。
楽にTOEIC600点を取るための戦略
次は、TOEIC600点をできるだけ楽に取るための戦略を解説します。
何をどうすべきかわかっていると効率が良いですし、気分も楽です。
600点を取るための戦略は以下の4つです。
- リスニング340点、リーディング260点の600点を目指す
- 単語力を大事に
- 比較的簡単なPart2,5から勉強する
- Part7は諦める
リスニング340点・リーディング260点の600点を目指す
TOEICはリスニングのほうが点数を取りやすいです。600点の配分は、リスニング340点・リーディング260点を目安にしましょう。
TOEICの平均点はリスニングが320点程度・リーディングは260点程度で、合計580点程度です。600点に20点足りないので、リスニングに20点加えたのがこの配分です。
リスニングは、平均点がリーディングより高いだけでなく、点数を伸ばすのも楽だと言われることが多いです。ですので、リスニングで点数を稼ぐことをおすすめします。
この目標スコアは目安ですから、皆さんの得意不得意に応じて調整してください。リーディングのほうが得意な人は、リスニング320点・リーディング280点などでも構いません。
単語力を大事に
リスニングでは音声を聴き取れても、単語がわからないと理解できません。リーディングで文法が分かっても、やはり単語がわからないと文の意味が理解できません。
勉強したことを活かせるかどうかは、単語力にかかっています。単語の暗記は単調な作業ですが、やればやるだけ力になります。
比較的簡単なPart2,5から勉強する
勉強時間に対して正解数が伸びやすいのは、Part2とPart5です。この2パートを重点的に勉強しましょう。
これらのパートは短文なので理解しやすいですし、出題のパターンがはっきりしていて、参考書で対策しやすいです。
さらに、次のような理由もあります。
- Part3,4の長文は、Part2のような短文の集まりである
- Part5の知識でPart6もだいたい解ける
- Part5を勉強すると、Part7もある程度読めるようになる
Part3,4の長文は、Part2のような短文の集まりである
当たり前ですが、完璧に聴き取ろうとすると、Part3,4の長文リスニングはPart2の短文リスニングよりも難しいです。
しかし、言ってしまえば、長文は短文の集まりです。
短文を聴き取れれば、長文もある程度聴き取れるようになります。基本であるPart2を先に勉強しておけば、Part3,4の勉強も少しは楽になります。
Part5の知識でPart6もだいたい解ける
Part5の知識でPart6の問題の大部分は解けます。Part6の対策をする必要はありません。
Part5の勉強をすれば、Part5の30問とPart6の16問で合計46問の対策ができるので、リーディング100問のおよそ半分をカバーできます。
Part5の知識で解けないPart6の問題は、文脈で判断する問題です。これは多少慣れが必要ですが、数が少ないので、力を入れて勉強しても効率が良くないです。
Part5を勉強すると、Part7もある程度読めるようになる
Part2とPart3,4の関係と同様に、Part7の長文もPart5のような短文の集まりといえます。Part5を勉強すれば、Part7の長文も読めるようになってきます。
Part5の勉強を続けると、文の構造を理解する能力が上がっていきます。例えば「長い主部の判別」「過去形の動詞と、修飾の過去分詞の区別」ができるようになります。
これは、文の意味を素早く正確に理解して、文章を読み進めるために欠かせないことです。ただの穴埋め問題ではないのです。
Part7は諦める
リーディングのPart7は諦めて、他のパートを勉強しましょう。
難しい長文の勉強をやらなくて良ければ、かなり楽になると思いませんか?
さて、Part7を勉強しない理由は2つあります。
- 難しいので、長時間勉強しないとできるようにならない
- Part7を勉強しても、Part5,6で時間を残さないと解けない
難しいので、長時間勉強しないとできるようにならない
Part7が難しいのは言うまでもありませんね。
当然、簡単なPart5,6から勉強したほうが効率的にスコアを伸ばせます。
Part7を勉強しても、Part5,6で時間を残さないと解けない
いくらPart7を勉強しても、長文を理解して問題を解くためには時間が必要です。
そして、TOEICリーディングの時間制限はかなり厳しいです。Part5,6で時間を節約しないと、Part7を考えて解く時間がなくなります。
そのため、Part5,6で悩んで時間の余裕がない状態では、Part7を勉強しても正解数があまり増えません。
逆に、スムーズにPart5,6を解けるようになって時間に余裕ができると、Part7を勉強しなくても正解数が増えます。
Part5,6を勉強して正解数を増やし、さらにPart7に残す時間を増やせば、長文の対策を特別せずとも600点に到達できます。
学習の流れ
ここからは、具体的な学習の流れを解説していきます。
以下のようにしましょう。
試験の内容と実力の把握:公式模試1冊2セットを解く
↓
(基礎の復習:中学英語に不安がある場合は復習する)
↓
TOEIC対策:英単語・リスニング・Part5対策を並行して行う
公式模試を解いて、実力を把握しよう
まずは公式模試を解いてTOEICがどんな試験か知りつつ、自分の実力を把握しましょう。
1冊に2セット収録されているので、2回ともやるようにしましょう。試験慣れがあるので、TOEICを1度解くだけで真の実力はわかりません。元々の英語力が高い人は、何度か模試を解くだけで600点を取れるかもしれません。
最新のピンク色の公式模試4がおすすめです。2冊以上は買わずに、1冊だけ買ってください。
TOEIC対策の前に、英語の基礎をマスターしよう!の記事でも書きましたが、旧形式のものを使わないように気をつけてください。
TOEIC対策の前に、英語の基礎を押さえよう
TOEICの内容と自分の実力を把握したら、中学高校で習う英語の基礎に不安がある人は復習をしましょう。
面倒だと思われるかもしれませんが、基礎は非常に重要です。英語の基礎がわかっていないと、より難しいTOEIC参考書の内容を理解できません。
英語の基礎とは、以下の2つのことを指します。これらを理解してから先に進んでください。
- 中学の英単語
- 中学・高校基礎の英文法
どんな人が中高英語の復習をすべき?
以下の場合は復習したほうが良いです。
- 少しでも不安がある人・忘れた人・中高生のころ理解できなかった人
- 公式模試の換算スコアの中央値が、2回とも400点を超えなかった人
少しでも不安があるならば、復習したほうが確実です。復習した結果、分からないところがなかった場合は問題ありませんが、復習せずに分からないところをそのままにするのはまずいです。
中高生のころ英語が理解できなかった人は、復習というより学び直しになるので、かなり時間がかかるかもしれません。それでも、TOEIC参考書からはじめるよりはずっと良いです。
換算スコアの中央値が2回とも400点を超えなかった人も、怪しいと思ったほうが良いです。(換算スコアが345-495なら、(345+495)÷2=420が中央値)
どんな本を使うべき?
理解度は人によって異なるので、適した本も人により異なります。
中学英文法は『もう一度ひとつひとつわかりやすく』シリーズの本がおすすめです。
これは中学3年分がまとめられた本ですが、学年別の中1、中2、中3、高校基礎バージョンもあります。
こちらの記事で、参考書を詳しく紹介しています。

TOEIC対策編!勉強法とおすすめ参考書
中学英単語と中学・高校基礎の英文法が身についたら、TOEICの参考書を買って試験対策をしましょう。
戦略に従って、600点が目標の皆さんは
- 英単語
- リスニング
- Part5
をまずは勉強してください。
全て平行して気分でやったほうが、続けやすいと思います。
単語編
勉強法
「1日2ページ、書き取りながら丁寧にやる!」のようなことをやっていると、一生終わりません。
単語帳を読むだけで構わないので、次のポイントを意識して勉強してください。
- 単語1つに時間をかけない(5~30秒)
- 何十周も繰り返す
- 1周の単位を大きくする(1章や1冊単位)
記憶の定着には反復学習が重要です。
時間をかけて丁寧に進めるよりは、あまり時間をかけずに何十周も繰り返して勉強したほうが良いです。
繰り返しの単位は大きいほうがこの方法に適しています。また、少しずつ覚えてから次を覚え始める方法よりも、勉強が進んでいる感じがするので辛くありません。

おすすめ参考書
中学英単語はマスターしていることが前提です。そのうえで、TOEIC向けの単語帳を使うべきです。大学受験向けのものは、TOEICに出ない単語も多く含まれているので効率が悪いです。
『銀のフレーズ』を1冊やれば十分です。『金のフレーズ』は少し難しいので、単語力に自信のある人だけにしましょう。
銀のフレーズ
必要度:★★★★★
TOEICの単語帳は金のフレーズが有名ですが、600点レベルの人には少し難しいです。金のフレーズの易しいバージョンの銀のフレーズで基礎を固めましょう。中学英単語から銀のフレーズにつながるはずです。
銀フレ見出し語1000語のうちおよそ半分が金フレと同じ語なので、簡単すぎるということはまずありません。
金のフレーズ
必要度:★★★★★(銀フレが簡単すぎる人用)
高校基礎単語までばっちり!という方は金フレでも良いです。
なお、著者のTEX加藤氏は金フレの想定読者をTOEIC500点以上のレベルとしています。公式サイトのTOEIC基本単語200のうち半分以上わからなければ、高校基礎レベルの単語集を一冊仕上げてから金フレに取り組むことを推奨しています。
リスニング編
勉強法
どの参考書も一周やるだけで終わらせずに、何度も同じ問題を解いたり、スクリプトを読みながら繰り返し音声を再生するようにしましょう。
続けていると英語の音のパターンを無意識のうちに覚えて、初めて聴く音声もわかるようになっていきます。
難しければ、はじめは速度を落として勉強しても良いです。
おすすめ参考書
公式模試をやり込みましょう。対策本を買っても良いです。
あまり色んな本を買いすぎずに、1冊か2冊に集中して勉強したほうが良いです。
公式模試
必要度:★★★★★
公式模試のリスニング部分をやり込みましょう。値段が高いので、使い込まないともったいないです。
世界一わかりやすい TOEICテストの授業(Part 1‐4 リスニング)
必要度:★★★★☆
リスニングの総合対策本です。ポイントごとにわかりやすく丁寧に解説されています。
究極のゼミ Part 2 & 1
必要度:★★★☆☆
講義形式の解説が特徴の、究極のゼミシリーズのPart2&1編です。
Part2を得点源にするために、こういった専用の参考書を買っても良いです。
新形式精選模試 リスニング
必要度:★★★☆☆
公式模試2回分をやり込んでも足りない場合や、本番形式で練習をしたい場合は、この本を買いましょう。
リスニング模試が5回分入っています。問題の質が高く、解説もわかりやすいです。問題の難易度の目安となる正答率も掲載されています。
シリーズが2冊出ていますが、2はやや難しいので1のほうが良いです。
リーディング編
勉強法
戦略通り、Part5を重点的に勉強しましょう。
これも単語の勉強法と同様に、時間をかけずに反復することを心がけてください。ノートに答えを書く必要はありません。適当に読みながら解くだけで構いません。
問題文を読んだらすぐに答えとその理由が出るようになるまでやりましょう。こうすることで、本番で類題が出たとき悩まずに解けるようになります。
おすすめ参考書
はじめは『文法特急』を買いましょう。問題数が多くないので取り組みやすいです。やる気のある人は、『でる1000問』をやっても良いです。
他のパートは公式模試で解いて慣れるくらいで良いです。どうしても長文対策をしたい人は、初心者向けの本を買いましょう。
公式模試
必要度:★★★★★
公式模試のリスニング問題はやり込むべきですが、リーディング問題はそれほど繰り返し解かなくて良いです。
Part6、Part7の問題に慣れるために少し使う程度にしましょう。Part5対策のために使うには問題数が少ないですし、体系的に学習することもできません。
Part5は専用の参考書を買ったほうが良いです。
1駅1題 新TOEIC TEST文法特急
必要度:★★★★★
Part5,6対策本です。これをやり込めば、Part5,6に対する苦手意識はなくなると思います。
問題数は少なめですが、重要なポイントは押さえられています。
解説がとても丁寧なのも良い点です。
TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
必要度:★★★★☆
やる気のある人は、これをひたすらやれば確実に力がつきます。もしこの本をやるのであれば、文法特急を終わらせてから取り組むと理解が早くなると思います。
1000問という名前ですが、実際にやり込むのは500問程度です。ミニ模試30問13セットの計390問は実力を確認するときだけやれば良く、品詞問題の発展編100問は難しいので、600点が目標ならやらなくても良いからです。
新TOEIC TEST 初心者特急 読解編
必要度:★★☆☆☆
初心者向けのPart7対策本です。とても簡単な問題だけで構成されているので、どうしてもPart7の対策をしたい人は買っても良いです。
TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リーディング
必要度:★☆☆☆☆
精選模試のリーディング版です。リスニング版と同じく、問題の質が良いです。
ただ、戦略通りに長文の対策をしない場合は、半分以上の問題が無駄になると言えます。
リーディングの時間を測って時間配分の練習したいなどで、どうしても必要だと思うなら買ってください。また、今後Part7の対策をして、さらなる高スコアを狙いたい人も買って良いです。
試験本番の解き方・テクニック4つ
最後に、試験本番での問題の解き方・テクニックを4つ紹介します。
マークシート用シャーペンを使おう
1.3ミリのマークシート用シャーペンが数百円で買えます。試験会場で使っている人をあまり見かけないのですが、費用対効果がとても高いアイテムです。
これを使うとマークシートを早く塗れるので、本番で時間節約になります。そして、鉛筆とは違い折れる心配がありません。普段の勉強でも、鉛筆を削る面倒な作業が必要もないので、とても快適です。
TOEICの勉強をしてみようと思っている人は、絶対に買ったほうが良いアイテムです。

少し考えてもわからない問題は捨てる
少し考えてもわからない問題は直感でマークしましょう。
リスニングで考えすぎたせいで次の音声に備えられないと、不正解が増えるばかりです。リーディングは時間制限が厳しいので、悩んでいると考えて解ける問題の数が減ってしまい、正解数が減ります。
リスニングは、大事な部分を聴き逃したり忘れてしまったりしたら、もう考えても無駄です。諦めて適当にマークして、次の問題に備えましょう。
リーディングは、Part5,6の1問に使う時間を長くとも1分までにしましょう。
600点レベルでは解けない問題があるのは当然です。そういう問題を考えすぎずに、潔く捨てる意識が大事です。次に進んで、解ける問題に時間を使ったほうがスコアが伸びます。
リーディングは終わらないので、終了前に適当に塗ろう
TOEIC600点レベルの人がリーディングを解き終えることは不可能です。
TOEIC800点台でようやく解き終える人が出てくるほどの物量です。900点取っていても、最後まで終わらない人もいます。
ということで、リーディングは時間になる前に適当に塗って全て埋めましょう。4択なので、4分の1の確率で当たります。
例えば、30問空欄にしていたものを適当に塗るだけで7,8問正解数が増えます。スコアに換算すると、おそらく40点程度になります。
簡単な問題を聴き逃したら、周りの人がマークする音を聴く
簡単な問題以外では通用しませんが、Part1,2の問題がわからなかったら、周りの人がマークする音を聴いて答えを判断しましょう。
ズルいって?勝てばよかろうなのだ。
まとめ
戦略
- リスニング340点、リーディング260点の600点を目指す
- 単語力を大事に
- 比較的簡単なPart2,5から勉強する
- Part7は諦める
学習の流れ
試験の内容と実力の把握:公式模試1冊2セットを解く
↓
(基礎の復習:中学英語に不安がある場合は復習する)
↓
TOEIC対策:英単語・リスニング・Part5対策を並行して行う
基礎に穴がある状態で、より難しいTOEIC対策本をやっても効果は薄いです。復習は面倒だと思われるかもしれませんが、一度習ったことですからそれほど苦労はしないはずです。
TOEIC対策
- 英単語
- リスニング
- Part5
同じ本を繰り返しやって、内容を頭に叩き込んでください。反復が命です。
まとめ
多くの人が目標にしているTOEIC600点は、正しい勉強のやり方さえわかっていれば、決して取るのが難しいスコアではありません。
600点はTOEIC入門スコアです。TOEICに興味が湧いた方・時間のある方は、もっと上のスコアを目指してみませんか。楽しいですよ。