麻雀をはじめようと思った人が挫折する原因の1つに、役の多さがあります。一般的なルールだと、なんと38個もの役があります。これをいきなり全て覚えるのは難しいです。
ですが、はじめに覚えるべき役はそれほど多くありません。まずは本当に重要な役だけ押さえて、他の役は少しずつ覚えていきましょう。
アガリには役が必要
麻雀は、4メンツと1ヘッドの形を完成させるとアガリになるゲームです。しかし、ただ完成形を作れば良いわけではありません。必ず、何らかの役を成立させなければいけません。
メンゼンなら必ずリーチで役ありになる
ポンやチー(鳴き、これらをするときに「ポン!」「チー!」と「鳴く」ため)をせずに、他家に牌を晒していない状態(門前、メンゼン)なら、リーチをかけることで役をつけることができます。
つまり、鳴きをしなければ必ず役ありになるのです。では、一切ポンやチーをせずに遊べば良いのでしょうか?
メンゼンだけでは遅すぎる!
麻雀は誰か1人しかアガれないゲームです。毎回メンゼンで進めてアガれれば良いですが、そうはいきません。
大抵は他の配牌が良い人や、鳴きをしている人にスピードで負けてしまいます。これではなかなかアガることができません。
麻雀は自分がアガらないと、ただひたすら点数が減る一方のゲームです。自分がアガれずに他人がアガるばかりでは、まったく面白くありません。
ですから、こちらも鳴いてスピードを上げる必要があります。
鳴きでアガるためには、役を知らないといけない
鳴くとリーチができませんから、他の役をつけないとアガれません。ということは、役を知らないと鳴いてアガれません。
ということで、役を覚えなければいけないのですが、麻雀は38個もの役があります。これを全て覚えるのは大変です。
ここで挫折する人が非常に多いのです。
全ての役を覚える必要はない!
安心してください。麻雀は全ての役を覚えなくても楽しめます。なぜなら、頻繁に出る役はあまり多くないからです。
よく出る役はあまり多くない
ネット麻雀最大手・天鳳の役の出現率統計を見てみましょう。
役ではないドラ・裏ドラ・赤ドラ(役ではないが、これを持ってアガると点数が増えるボーナス牌)を除き、牌の種類が違うだけで同じ役の、役牌7種(東南西北白発中)の出現率を合計して考えます。
すると、出現率が10%以上の役は立直、門前清自摸和、断么九、平和、役牌の5つしかありません。
出現率が1%以上の役まで見ても、これに一発、混一色、一盃口、三色同順、対々和、七対子、一気通貫、混全帯么九を加えた13個しかありません。
出現率0.1%以上まで広げても、21個しかありません。
知っていたところで、アガれない役のほうが多い
つまり多くの役は知らなくても、逃して損することはほとんどないのです。知っていたとしても、そもそも狙える配牌がほとんど来ないからです。
ちなみに私、うにだよはネット麻雀メインで3000試合以上(2万~3万配牌くらい?)麻雀をやりましたが、38個のうち役のうち27個しかアガったことがありません。しかもこのうち7個くらいは、数えるほどしかアガったことがありません。
メンゼン限定の役は、まだ覚えなくて良い
ところで、役には鳴きが認められるものと、そうではないメンゼン限定のものがあります。
麻雀入門者の方は、メンゼン限定の役はまだ覚えなくても良いです。先ほども書きましたが、メンゼンならリーチをすれば必ず役ありになるからです。
鳴きが認められる役の中には、鳴くと簡単になるという理由でハン数が1ハン下がるものもあります。これを喰い下がりといいます。一応知っておいてください。
基本用語
多分知っていると思いますが、おさらい程度に説明しておきます。
ハン
役ごとに決まっている、アガリの点数を決定する要素の1つ。難しい役ほどハン数も高い傾向にあります。
別にまだ覚えなくても良いですが、子なら1ハン1000点、2ハン2000点、3ハン4000点、4,5ハン8000点、6,7ハン12000点という程度の認識をしておくと良いです。親は子の1.5倍の点数になります。
牌の組み合わせ
順子(シュンツ):同じ種類の数牌で、数が3連続で並んだもの。(123,234,345……など)
刻子(コーツ):同じ牌を3つ集めたもの。(111,222,東東東……など)
暗刻(アンコ):ポンをせず手牌の中で作った刻子
明刻(ミンコ):ポンやロンをして、他人の捨て牌を使って作った刻子
対子(トイツ):同じ牌を2つ集めたもの。(11,22,白白……など)
最重要!「役牌」「タンヤオ」はアガリへの特急券!
麻雀は「役牌」か「タンヤオ」のアガリが6割です。非常に良く使うので、まずはこの2つを覚えましょう。
役牌
ツモ
ポン
出現率:40%
ハン数:1ハン
条件:三元牌・場風・自風の刻子(コーツ)がある
白発中・場風・自風を刻子(コーツ)にすると成立します。役牌対子さえあればポンするだけで簡単に役をつけられるということです。
上の画像の場合、役牌は白・発・中と場風の東、自風の南です。南が対子なので、ポンすれば役をつけられますね。
基本的には、役牌は5種類になりますが、東場の東家、南場の南家の場合、場風と自風が同じになるため4種類になります。この場風と自風が重なっている役牌のことを「ダブ東」「ダブ南」と呼び、2ハンになります。
タンヤオ
出現率:22%
ハン数:1ハン
条件:2~8牌のみで揃える
条件が簡単なのにもかかわらず鳴きが認められているので、役牌と同様にこれも簡単に成立します。配牌に役牌対子がなければ、次はタンヤオができないか考えましょう。
ルールは喰いタン「あり」?「なし」? → 「喰いタンあり」が圧倒的大多数
鳴きタンヤオがあまりにも簡単すぎるので、これを認めないルール(喰いタンなし)もあります。しかし、現在はほぼどこでも喰いタンありルールですから、鳴いてもいい役だと思ってください。
トイツがあれば狙える2役!「チートイツ」「トイトイ」
対子が多いときに狙える役です。わかりやすい役なので、すぐ覚えられるでしょう。
七対子(チートイツ)
出現率:3%
ハン数:2ハン
条件:7組の対子を揃える
これは鳴いて作る役ではありませんが、特殊な形のアガリなので知らないとアガれず、かつそこそこ出現率があるので知っておきましょう。特殊な形といっても、とても覚えやすいので安心してください。
ただ対子を7個集めるだけです。ドラの対子入りの七対子(チートイドラドラ)が高火力です。
対々和(トイトイ)
出現率 2%
ハン数:2ハン
条件:4つの刻子を揃える
刻子を4つ揃えれば成立します。役牌と組み合わせると高火力になります。
下の手牌のように、七対子を狙っているとき対子が暗刻になり、そこからポンをしてトイトイに移行することが多いです。
高火力が魅力の「染め手」!「ホンイツ」「チンイツ」
同じ種類の牌だけで揃える「染め手」です。高火力なので、配牌で1種類の数牌と字牌が多ければ、積極的に狙いましょう。
混一色(ホンイツ)
出現率:5%
ハン数:3ハン・鳴き2ハン
条件:1種類の数牌と、字牌のみで揃える
鳴きホンイツのみだと2ハンですが、他の役(特に役牌)と複合しやすく、高得点になりやすい役です。
メンゼンのホンイツのことを「メンホン」と呼びます。これは3ハンでさらに高得点ですが、そこそこレアです。ホンイツは通常鳴かないとできない役だと思ってください。
清一色(チンイツ)
出現率:0.6%
ハン数:6ハン・鳴き5ハン
条件:1種類の数牌のみで揃える
ホンイツの字牌なしバージョンです。鳴きチンイツのみでも5ハンで高火力の役です。
メンゼンのチンイツのことを「メンチン」と呼びます。滅多に遭遇しませんが、メンチンはたいてい形が複雑になり、必要な牌や待ちを把握するのがとても難しいです。
メンチンは中級者でも苦戦しますし、上級者ですら待ちを間違えることがあるので、初心者が混乱するのは当然です。わからなくても気にしないようにしましょう。
他の初心者と差がつく2役!「三色」「一気通貫」
この2つを鳴いて作ろうとする初心者はほとんどいないので、知っていると差をつけられます。
三色同順(サンショク)
出現率:4%
ハン数:2ハン・鳴き1ハン
条件:萬子・筒子・索子で同じ順子を1つずつ揃える
メンゼンでできると高得点になりますが、今は役をつけるために鳴いて作るものだと思ってください。
一気通貫(イッツー)
出現率 1.5%
ハン数:2ハン・鳴き1ハン
条件:1種類の数牌で123・456・789の順子を1つずつ揃える
これも鳴いて作る役だと思ってください。三色同順よりも鳴いて作る機会は多いでしょう。
役満はロマン!比較的出やすい3種の役満
12個ある役満のうち、比較的アガりやすいものが3つあります。
「役満の中では比較的アガりやすい」だけで滅多にアガれませんが、これらは麻雀を続けていればアガれるチャンスが結構来ます。わかりやすいものばかりなので、早いうちに覚えておきましょう。
四暗刻(スーアンコー)
ツモ
出現率 0.04%
条件:4つの暗刻を揃える
トイトイと似ていますが、難易度は段違いです。ポンをせずに、全ての刻子を自力で集めないといけません。
注意しなければならないのは、上の例のように暗刻を3つ揃えたシャボ待ちのときです。
西でロンアガリをした場合、西は明刻扱いされるため四暗刻にはならず、三暗刻・トイトイになります。この形をツモり四暗刻、「ツモスー」と呼びます。
一方、下の例のように手牌で暗刻を4つ揃えて、ヘッドを待つ単騎待ちの場合はロンアガリでも四暗刻になります。いわゆる「四暗刻単騎」です。
国士無双
出現率:0.03%
条件:13種類全ての19字牌を1枚ずつ+どれか1枚を揃える
特殊な形のアガリです。配牌で19字牌が10種類以上あれば狙っても良いです。配牌9種からはまずアガれません。
下の形では、13種類の19字牌どれが来てもアガれます。いわゆる「国士無双十三面待ち」です。
大三元
出現率:0.03%
条件:三元牌の刻子を3種類全て揃える
3メンツだけで成立するので、比較的遭遇しやすい役満です。
この役があるので、三元牌を2つ鳴いている他家がいると初心者は過剰に怖がることが多いです。
しかし、例えば白発を鳴いた人が、さらに中を暗刻や対子で持っているのはかなり珍しいことなので、そんなに怖がる必要はありません。
むしろ、役役(役牌・役牌)ホンイツや役役トイトイを警戒しましょう。これらの組み合わせは、子で8000点以上、親で12000点以上がが確定しています。まあ、中を持っていることもありますが……。
まとめ
ここにある役を狙って鳴いていけば、そこそこアガることができるようになります。まだ覚えることはたくさんありますが、まずはアガリの喜びを覚えましょう。